神の使者との一問一答#4 「教会設立まで」

2019.08.06
第五巻 富士和教会

 13年間、神様から嘘をつかれ続けたという話は、私の心に深くしみた。


 お告げが降りてから、神さん、さんざ粗を探されて、こっちも神さんに憎まれ口を聞いてね。

『何だ、近所の人と喧嘩ばっかりしてね、逃げ場がないもんだから、神様にころがりこんで、それで、生意気言うな』

って神様が、言うのよ。憎たらしいことを言うのよ。「神様でも、憎たらしいことを言う」と思って・・・。

 ああでもない、こうでもないって、粗を探してね。それでね、

『近所中の人と喧嘩してね、威張った口を聞くな』

とか、

『生意気言うな』とか神様が言ってね、さんざっぱら、三日間同じことを、蜂につつかれたようにね、熊ん蜂が飛んで来たように、つつきまわして悪口を言ってね、よく、ああ人の粗を探せるかとおもうほどね


 それで、今度はしまいにね、そう言うとさ、

『ああそう、さあもうやめましょうね、さよなら』

って言うのよ。『さよなら』って言われると、何だか、張り合いがないような気がしてね。そしたら、また、神様言い出すのね。

 それでね、

 『幾ら神様でも、これだけ粗探されて、憎まれ口聞かれたら、悔しいでしょう』

って言うのよ。まったく悔しかったけれどさ。

『だから、神様に言われたって悔しいんだから、人間に、そう言う憎まれ口を、決して聞いてはいけませんよ』

って。三日間、さんざ、つっつき回されてさ、悪口言ってぺしゃんこにしてさ、それから嘘をついて振り回してね、まったくどうしたらいいんだか、本当にあのときの苦しみって言ったら、今じゃ笑い話で言うけれど、本当にどうしたら良いか分からなかったわよ


 今となっては、笑って話をするけどね、あのころは「誰でも良いから、本当のことを教えてくれれば良い」って思ったわね

 それで、あっちに運んだり、こっちに運んだり、荷物運んでさ。その間の、人の心の動きって言うのが、違うんですよね。それで、毎日、毎日、私は主人に責められてさ、何か探しものして、「あれが見つからない、これが見つからない」って言うとさ、「ほうら、また、どっかへ運んじまいやがって。あれがない、これがない、不自由してる」って、皆、人のせいにしてさ。

 だから、後になってね、「何だ、ここに引っ越して来るのならね、今さら火事にならなくてもいいわ」って思ったけれどね、『火事だ、火事だ』って嘘をつきながら、色々に困らせたり、苦しめたりしながらね、その裏では、『火事になれば、余計なものを買うな』っていうこと、それから、『若夫婦と子供達がいれば、うちが狭くてしょうがないから、買い物なんかしちゃいけない』っていうこと、『すこし他所に運んでおけ』って言うことなのよね。それで、Kさんが預かったのね。狭いから、って


 まったく、言ってたって、幾日あったって足りやしない。13年間、毎日、毎日、朝から晩までね。嘘をつかれて引きずり回されたんだからね、切りがないけどさ。

 嘘をつきつき、『本当ですよ、本当ですよ』って言われるとね、「やっぱり本当かな」って思っちゃうのね。『本当ですよ。本当ですよ』って言われんとね。だから、ちっとも落ち着きゃしないのよ。それを、13年、15年やられたんだからね。


 息をついたわまったく。だから、嘘をつくから、「神様が言っているからって、決して迂闊なことは言えない」と思いましたよね。自分だけで嘘をつかれているのなら、黙ってそうやっていればいいけれど、言っちゃったことは厭なものですよね。神様が嘘をついたのだから、こっちはどうしようもないのですよね、こう言ったのだから、こうしようったって、ならないんですよね、神様、承知して嘘をついたんだから、どうしても、本当の所にもって行こうと思っても、ならないんですもの、神様、承知して嘘をついているんですから。


 本当に辛くて、何て言ったらいいのか分からない。「困っちゃった」って思ってね。そうすると、頭痛がして来てさ『神様を信じて下さい』って。「何を信じるんだ、このろくでなしめ」って神様のことを言いたくなっちゃうの。「このばち当たりめ」って言ったらね。

『神様、ばちが当たるんですか。神様に誰がばちを当てるんでしょうね』

って冗談言うのよ。


 今考えてみればね、火事なんてそうそうあるわけはないんですよね。喧嘩したってさ、いろいろと訳があって、こっちが辛抱しているんですからね。自分の所は火を出すはずはない、他所から燃えて来るって言ったってね、どっからも燃えて来やしなかったんだからね。それで、15年間たってから、こっち(由比ガ浜)に来たんだもの。ほとんど、13年はたってから、『教会始めなさい』って言われて、始めて、ああ、やっぱり嘘でもなかったかなって。

 そんなね、『使者になって下さい』なんて言われて、本気になるほど、いい気になっていられやしないし。あたしは人前で話ができないんですからね、そんな道理はないので、「厭だ、厭だ、おだてに乗せられてそんなものに本気になったら大変だ」と思ってね、人に笑われるから、うかうか言うんじゃないと思って黙っていたらね、そしたら『妹にだけは言いなさいよ』って言ったわね。それで、「言うのは厭だ」って言ったらね。


 その前に『丸くやれ、丸くやれ』ってね、おなかは張るし、背中は痛むしね、後ろ前で苦しめられてのが、1年3カ月。お告げが降りてから、苦しめられたんですよ。5時間ずつ、5時間ずつ、毎日、それが、絶え間無く苦しめるのですよ。5時間ね。どうやって辛抱していいか、分からなかった。あの苦しみは、もうこりごりだと思うほど、苦しめられたの。

 だからね、『それは、妹に言わないと戒める』って言うんですね。だから、それじゃ、言いますよ、言いますよ。人に言うと笑われるからね、笑われるか、事によると、本気にされると、反感もたれるから。だから、それが厭だから「黙ってて」って、「神さん言えっていうから黙ってて」って言ったのに、妹はおしゃべりでね、I先生、藤沢支部の支部長だった、藤沢支部に入ってたんだからね、そしたら、先生に言ったんだね。後で神様は『妹が言い付けたんだ』って。妹を使ってしゃべらせたんだね。そしたら、I先生本気になって、「使者になるなんて、人をろくに入れることもできない癖に」ね、向こうじゃ、「入れろ、入れろ、入れろ、入れろ」だわね。だから、「入れることもできないのに使者になるんだなんて」ね、それから目の敵にし始めたらしいのね。だから、人っていうのはさ・・・


 それで神様がね、

『あなたね、妹に話しもできないで、まごまごしているなら、夕飯を早く食べて、妹の所で忙しがっているから、お加持の手伝いに行ってやりなさい』

 それでね「神様に言われたからお加持の手伝いに来たよ」って、夕飯の支度を、早く順ちゃん(一人息子和男さんの奥様)にしてもらってね。それで、『「夜なべのお加持の手伝いに来た」って言って行け』って言うのですよ。そしたら、妹がね、「あらそう、それなら近所にKさんって家があってあそこの奥さんがね、10年も足が悪くて歩けなくて寝ているんだから、あそこに行ってやってよ」ってね。

 「I先生がさんざ、お加持して、私もさんざ、お加持して、それでも直りゃしなかったのよ。姉さん、行ったってよ。どうせ直りゃしないんだろうけど」

 そしたら、神様がね、

『馬鹿なこと言いなさんな。直らないお加持じゃあ、来られた方が迷惑だ。やっぱり、来ると思えば何となく気になるでしょ。そんなことはしませんよ。あなたにやらしたことは、直しますよ』

って言うからね、「今度は本当かな」って思ったけど「どうせ効きゃしないでしょうけど、来ました」って言って行けって言われたけど、

『そんなことを言って行くんじゃありませんよ』

ってね。

『効かしてやるから行きなさい』

ってね。三日行ったの。そしたら、妹が、「姉さん、どこをお加持してきた」って言うからさ、

「神様『あの人は関節が悪いんだから、関節をお加持しなさい』って言ったから、関節をお加持してきたよ」

って言ったら、

「あら、I先生は、肝臓が悪いんだって言ってたわよ。だから、肝臓が直れば歩けるようになるって言った」

ってね。それで、神様に聞いたら

『I先生には、嘘をついたんですよ』

って言うの。だから妹に、「神様、嘘ついたんだって言ってるわ」って言ったらね、それを妹がまたI先生に言ったらしいのね。

 そしたら、Kさんにお加持に行くときにね、

『I先生に頼まれて来ましたって言いなさい』

って言うの。「厭だ、厭だ、そんな嘘をついて行くの厭だ」思って、神様に言われて、妹に頼まれて行ったのにね、それが知れたら「あの嘘つきが」って言われるから厭だって言ったの。そしたら、

『嘘つきでも、何でもいいから、神様の言うとおりに言いなさい』

って言ったのよ。だから「厭だな」と思いながら、おどおどしながら「I先生に頼まれて来ました」って言ってたら、案の定よ。

 後でね、I先生は、妹が、「神様がI先生に嘘をついていたので、姉は、Kさんは関節が悪いって神様が言ったので、関節だけ、お加持してきた」って言ったら、I先生は、「そんなに直らなければまた方位除けしようかな」、なんて言ってね、『I先生が、嘘、言った』って言ったものだから、悔しがって、Kさんに行ってね、「ありゃ、狐ですよ」ってね、「あんなものを信じちゃいけない」って言ったんだってね。そしたら、「あら、でもI先生の指図で来たって言ってましたよ」って言って。そしたらI先生ね、「なにを、嘘ばっかついて、言うもんですかそんなこと」ってね、「狐につかれたら大変だから、断りなさい」って言ってね。


 4日目に私が、I先生が亡くなってからか、亡くなるころにね、私に神様が教えたんだから。そのころは「迂闊なことは言えない」って思ってたからね。そしたらね、神様が『断りなさい、断りなさい』って言ってたからね、行ったら娘さんがね、お母さんが具合が悪いので娘さんが手伝いに来ていて、飛んで出て来てね、「今日は気分が悪いから止めて下さい」って言うのね。「そうですか、お加持すると気分が良くなるって言う筈なのですけれどね、気分が悪ければやめときましょう」玄関払い食わされて、いけないというもの、上がるわけにいかないからね。それで、妹に言ったら、自分が言い付けたのを知っているものだから、「ああそう、他所に行って、上がりこんで、お加持なんかするの厭だものね。あたしも大嫌いだよ」

あの人、おしゃべりだから、大嫌いでもないらしいのよ。結構楽しく話してくるのよ。私は大嫌いなの。借り猫みたいにね、黙って行ってお加持して帰って来てね。そういう訳で、断られたからやめたんだけど、「どうしているかな」と思ったから神様に聞いたら、

『信者にとって、支部長の言うことは絶対だから、びっくりして断ったんだから、それでいいんですよ』

って言うからね。

『断わられたら、無理に行くことはないから、それでいいんですよ』


 それから、妹のところの、他の人のお加持していたら、妹の近所のおばあさんが心臓が悪いっていうから、二日お加持してやって、三日目に行こうと思ったら、神様が

『I先生があなたに、お加持させるの厭がってるから、やめて、明日から来ないでいい』

って言うのよ。それでうちに帰って、妹のところに行かないで黙っていたら、そしたら、「なんでお加持に来てくれないのよ。近所のおばあさん、心臓の悪いおばあさん、姉さんのお加持よく効いたって。喜んで楽しみにしてんのよ。来てくんないの」って言うの。「神様、よせって言ったから」ってね。「何でも、神様、神様、神様って、神様の言うことばかり聞いてんのよ」って怒ってね。でも神様は、

『I先生が厭がるから、よしなさい』

って言ったからね。やめたのね。そんなことから、

I先生っていう人が、とってもあなたを、目の敵にしている』

ってさ。人の心をよく知っているからね、神様は。


 「あっちで神様の話し聞きたいって言うから、姉さん一緒に行ってよ」ってね、人のお告げ当てにしてさ、引っ張り回してさ。あたしも、うちでちょこちょこしてるよりもそのほうが楽しいのよ。それで、叱られ、叱られ・・・どきどきしながら、ひっぱり歩かれてね。


 このごろはどこへも出掛けないけど、あのころは、行ったこともないところを、探し探し出掛けてさ、あたしは、知らないところへ行くの嫌いだったけれども、とにかく、『あっちに行け、こっちに行け』って言われるから、仕方がないから、探し探し、行ってさ・・


 神様が、『寝る前にお休みなさいって言いなさい』って言うからね、「神様お休みなさい」って言うでしょ。そのころはまだ手がこう上がって書かせてもらってたからね、うちの主人は、「またやってる」と思って、こうやって覗いて見てね、「気が狂っちゃうんじゃないか」と思ってさ。


 まったくさ、和男があんまり、信じて本気になってやってくれないのはね、神様にあんまり嘘をつかれたのがさわっちゃってんのよ。主人はとうとう信じてくれなかった。あれも、縋らせないつもりだったかも分からないけどね。あんまり嘘をついたから、男どもは根気がないからね、信じてくれなくなっちゃったのよね。「また嘘をつかれやがった、また嘘をつかれやがった」ってね。年柄年中、人をせめてばかりいてね。


 神様の言うことをどれだけ素直に聞くか。それから神様ね、嘘をつきながら、困らせながら、精神修養するのね。

『嘘が一番、精神修養する早道なんだ』

って。これだけ嘘をつかれるとね、うかうか人にしゃべれない。それでもって、口を堅くするために。

『人に恥をかかせるようなことを言ってはいけない』

『神様の嘘が一番精神修養の早道だ』

っておっしゃったわね。「何が早道だ」って思って、こっちだってさ、毎日毎日、嘘をつかれてどうしていいか分からなくて、こうして座ってなんかいられやしなかったわよ。頭が痛くなっちゃってね。考え事をするのに、こう座っちゃいられない、やっぱり寝そべるでしょ。寝ても覚めても、いつ桜が咲いて、いつ桜が散ったか、陽気もわかりゃしないのよね。


 何でもいいからね、I先生でもH先生でもいいからさ、「教えて下さい」って神様に言ったけどさ。

 本当に、厭になっちゃってね、仕事もする気もなくなっちゃって、ごろごろしてさ、それでもって色々と考えて、「困っちゃったな、この嘘つきの神様をからかっていったい向こう岸につかないうちには、太平洋の真ん中で船をおんまけられたようなもので、どうしようもありゃしない」と思ってさ、「困っちゃったあ」と思ってね。


 ずっと底無しの沼に片足を突っ込んだようなもので、やっともがきもがき片一方を持ち上げると、こっちがはいっちゃうでしょ。そういう感じがするのよ。嘘をつかれて。底無しの沼で。やっとこちらの足を抜いたと思うと、今度はこっちの足がはいっちゃってね。そういう感じがするんですよ、頭に浮かぶのよね、その姿が。それでね、それから何かがんじがらめになったような変な気持ちになったりさ、これから一体いつどうやって抜け出したらいいんだか、分からないのよ。かといって「もうこの神様やめちゃおう」と、「止めちゃいたい」と思ったけど、それがやめられないのがね。本当に、「本当に止めたい」と思ったけどね。神様がね、『逗子に荷物運べ、浄明寺に荷物運べ』ってね、『腰越に荷物運べ、Kさんに荷物運べ、今は、お金がないんだから、いいんだからね』。Kさんには、お部屋代払ったけどね。


 それで、『みんな、後で、ちゃんと神様が、お礼させますよ』てね。『いいから、一時預かって置け』ってね。それが私は気にいらないのね。今、抜けちゃって『はい、さようなら』って言われたらね、それこそしょうがないから、太平洋の真ん中で、船をおんまけられたようなものだから、あたしはいいけどね、迷惑をかけたところにお礼もしないで死んじまう訳にもいかないし。死にたくなっちゃったのよ本当にね。迷惑かけっぱなしで借金残して死ぬわけにはいかないし、そんなもの、『あっちに預かれ、こっちに預かれ』って預かり賃払うようなお金も無いし、

『後で、神様、ちゃんと、あなたに、不義理はさせませんよ、ちゃんとしてやるから、神を信じて下さい』

って言うのよ。それだってあたしは、「厭だ厭だ」と思ってね。「止めたい」、

『ああそうですか、はい、さようなら』

ってね。みんな、荷物あずかりっぱなしでね、『はいさようなら』ったってね、後で、お礼を払うお金も無いんだわね。お父さんは、ろくにないお金を、握り締めちゃってんだからね。


 どうにもこうにも、抜き差しできないような、止めるに止められないような、方々に迷惑かけちゃったのよ。それで止められないように、がんじがらめにして置いてね、それで嘘をついて引っ張り回してね、13年やられたんだからね。嘘をつかれて13年。それから神様が、教会を始めなさいということをおっしゃったの。

ページトップへ戻る