炭埋

2017.09.27
第一巻 湖水地方レポート

酸化還元に関して、チーズ工房新設時に、一つのエピソードがある。

第一期工房施設として選択したのは、船舶用冷凍コンテナだった。冷凍用だから十分な断熱層が作られており、夏の暑さ、冬の寒さから守られる。すべてステンレスでできているので、工房内の内装にかける費用が最小で済む。躯体に鉄が使われているはずだから、人体への影響が懸念されたが、一刻も早く試験製造を開始したい一心で、コンテナを導入した。

しかし、毎日、チーズ製造をしながら、首肩が凝り、頭痛に悩まされた。鉄は、生き物からマイナス電子を奪う。その結果として、生体は酸化することになる。鉄骨造、鉄筋コンクリート造の建築物は、人間に適した環境だとは言えないのだ。病のすべては酸化が原因だ。分かってはいたが、半年もたたないうちにとても耐えられなくなった。ナチュラルチーズの先駆者で、共働学舎新得農場代表宮嶋望さんに事の次第を説明し、炭埋を依頼した。

秋も深まったころに、粉炭を積んだトラックと、宮嶋望さんをはじめとする協働学舎のスタッフがやってきて、工房の地下に炭素棒状態になるように炭を埋設してくれた。その後、工房の仕事はとても楽になった。

 

磁場は、至るところにある。人間の身体にも、土地にも、地球にも、宇宙にも。それは工学的には無視されている微弱なエネルギーであるが、しかし、動植物や人間の生命に重要な力を及ぼしている。

戦前戦中には、軍部から依頼を受けた学者が、食糧増産のための磁場の研究をした。それは、「静電三法」という書物にまとめられている。大地には、地磁気と微弱な地電流によって電磁場が構成されていて、地電流の流れがよい土地は電位が高く、マイナス電子が放出されている。

良好な磁場を作り出すために、炭埋をする。地中の炭素棒は、マイナス電子(-)を集め、陽電子(+)を取り除き、地電流を整える。炭素が地電流を引き寄せ、マイナス電子を増やすのである。その結果、大気と地中の電位差が大きくなり、大気中へ放出されたマイナス電子を、コンテナが引き寄せる。宮嶋さんのアドバイスを受けて、下記の写真のように地下の炭素とコンテナを接続した。

 

炭素埋設小.jpg

 

これで、工房内部の磁場は向上した。第二世代の工房は、木造で建設することになるだろうが、今のところはこれでよい。還元された磁場は、人間体内の生態系、乳酸菌叢が作り出す生態系にも有効だ。

その他に、外から工房に持ち込まれるものは、ミルクと水である。水の質は、前回のレポートに書いた創生水で改善されている。残るはミルクだ。牛の体内生態系の活性を向上させたい。山地酪農で、還元された活力のある湧水を、牛に飲ませることができるのであれば、理想的だろう。しかし、酸化した水道水では、牛の生態系も疲弊する。ミルクの活力も弱まるはずだ。だから、創生水生成器で活性化された水を飲ませたい、という発想になる。

湖水地方牧場の食品を食べて、顧客の体に活力をみなぎらせること、そして、湖水地方の生態系向上の一端を荷いたい。食品を作る者として、当然、そう考えるよね。

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