人工授精 / Artificial Insemination
- 配信日
- 2017.10.01
- 記事カテゴリー:
- 第一巻 湖水地方レポート
今年1月に人工授精した、ブラウンスイスのハイミー/813は、その後の妊娠鑑定でプラスだったので、280日後の10月初頭分娩に向けて乾乳の予定だった。ところが、8月になって発情行動を見せたので、農業共済組合の獣医さんに診てもらったところ、空体であることが判明した。空体とは、胎児が入っていないという意味だ。人間と同じで、妊娠はしても、3か月前後で落ちてしまうことがある。もっと早く、もう一度妊娠鑑定をしておくべきだったと、大いに反省した。
近所の緒方さんが、漢方薬の甘草粉末を一袋持ってきてくれた。緒方さんは元畜産家だ。一日に30gずつ食べさせると、体に活力がみなぎるという。空体が長く続くと、子宮が硬直してしまう。甘草は匂いが強いので、ハイミーは辛そうだった。それでも、分量を減らして続けた。その甲斐があってか、9月30日に発情行動を見せ、日曜日だが農業共済組合にお願いして、人工授精に来てもらった。
若い女性獣医師の伊東さんは、「子宮の動きが必ずしも良くはないが、つけてみましょう」と言う。
このところ、ブラウンスイスには性判別精液をつけている。100%まではいかないが、メスが生まれる。しかし、性判別精液は活性が弱く着床率が低いと言われているので、獣医さんの助言に従って、通常の精液にした。この場合、仔牛のオスとメスの割合は、50%ずつが原則だ。オスの仔牛は、ブラウンスイスの肉牛事業をやっているコスモスファームさんに引き取ってもらう。メスはもちろん、湖水地方牧場で育成する。